教会からのメッセージ

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教会からのメッセージMessage from
the church

作家・西加奈子さんが軽井沢高原教会へ思いを寄せて書き下ろした
ショートストーリー「あなたのからだ」

あなたのからだ

西加奈子

その人を思うと胸が苦しくて眠れなくなる。
食欲がなくなってしまう。
泣きたくないのに涙が出てくる。
それを過去の先輩たちは「恋わずらい」と名付けた。
病という冠がついているけど、
恋わずらいはきっと、未来のある病だ。
眠れなかったあの夜も、溢れてきた涙の温度も、
知らぬ間にあなたのからだに蓄積されている。
あなたは覚えていなくても(忘れたくても!)
からだが覚えている。
淘汰されてしまった思い出を、
病特有のしつこさで、ずっと記憶している。
恋の記憶を学んだあなたのからだは、空っぽのそれより強い。
痛みと、甘やかさと、たくさんの涙と熱で出来たあなたのからだを、愛そう。
それは世界でたったひとつの美しさだ。
過去のあなたが用意してくれた、あなただけの美しさなのだ。
いい恋って、なんだろう。

教会から、あなたへ

電車の窓上広告で掲載している、教会からのメッセージを集めました。

16

わかったつもりが、
二人を遠ざける。

そばにいるほど、相手をわかった気になる。
でも、洋服や食べ物の好み、考え方、
その人らしさだって、変わってゆくもの。
あの人がいま、夢中なことはなんだろう。
悩んでいることはなんだろう。
知っているつもりにならず、
小さな変化に気づこうとすることが、
恋を長続きさせると思うのです。

いい恋って、なんだろう。

15

特別を求めない。
だから特別な人になる。

つい相手に多くを望んでしまう。
逆に相手のためにがんばり過ぎてしまう。
ギフトやサプライズで気持ちの大きさを
確かめてしまう人もいます。
でも、並んでご飯を食べたり、笑い合ったり
なんでもない時間を幸せに感じられるのが
特別な人ではないでしょうか。
本当に大切なもの、あなたには見えていますか。

いい恋って、なんだろう。

14

失うばかりが、
失恋ではありません。

別れは、何度経験しても辛いものです。
あの時こうしていたら、と悔やんだり
ぽっかり穴が空いたような寂しさに
塞ぎこむこともあるでしょう。
でも、失ったものより出会えたものに
目を向けてみませんか。
知らなかった言葉、行ったことのなかった街。
味わったことのない喜びや、痛みさえも
これからのあなたの人生を豊かにしてくれるはず。
無駄な恋なんて、ひとつもないと思うのです。

いい恋って、なんだろう。

13

探してばかりでは、
みえない恋がある。

出会った瞬間に心が動く恋もいいけれど、
ちょっとした「うれしい」や「楽しい」の積み重ねが
いつのまにか恋に変わるのもいいものです。
ゆっくり時間をかけてきた二人は、いつでも自然体。
探すより、気づくことではじまる恋もあります。
つい運命的な出会いを求めて、好きな人がみつからない。
そんな時は、小さな気持ちの変化を大切にしませんか。
あなたにとって大事な人は、
すぐそばにいるかもしれません。

いい恋って、なんだろう。

12

ちゃんと泣けるのは、強さです。

嫌われたくなくて、「大丈夫」と嘘をつく。
心配をかけたくなくて、涙をこらえる。
大切な人の前ではつい本当の気持ちを隠してしまう。
でも、時には泣いたっていいのです。
ありたい姿や思いがあるからこそ、
悔しさや寂しさが溢れてくる。
恋はそんな心の変化を共有し、認め合うもの。
ちゃんと泣いて、ちゃんと気持ちを伝える。
素直になれる強さで、恋を育てていきませんか。

いい恋って、なんだろう。

11

自分で自分の恋を
難しくしていませんか。

自分の恋なのに、誰かの恋と比べてしまう。
いい人を探しているはずが、
気がつくと欠点ばかり探してしまう。
この春、そんな後ろ向きな自分と
サヨナラしてみませんか。
新しい恋は、誰かが運んでくるのではなく、
新しいあなたが連れてくるもの。
自分を見つめ、気持ちを前に向かせることが
きっと、いい恋への近道になるはずです。

いい恋って、なんだろう。

10

「いま」に正直な恋を。

いまの恋は、いましかできません。
もしもあなたが、いまの想いにうそをつき
伝えないほうを選べば、
いつかきっと、くやんでしまう。
未来のことを仮定してばかりの恋では、
「いま」という一瞬が
なにごともなく、過ぎていってしまいます。
めんどうだって、わがままだって
泣いて笑う人生のほうが、
きっとじぶんに正直で
満ちみちたものになるはずです。
恐れずに、「いま」に正直な恋を。

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